【4月21日 AFP】インドの鉄道駅で線路に落ちた男の子を、30メートル以上猛ダッシュして駆け付け、急行列車が通り過ぎる間際に救出した鉄道職員が「スーパーヒーロー」だと称賛されている。

 マユール・シェルケ(Mayur Shelke)さん(30)の奇跡の救出劇を捉えた監視カメラの映像がインターネットで拡散され、話題となった。

 視覚障害のある母親に連れられた6歳の男の子は17日、西部ムンバイから東へ約70キロに位置するバンガニ(Vangani)駅のプラットホームを歩いていたところ、線路に転落した。

 転てつ手として働くシェルケさんは助けを求める母親の叫び声に気付き、すぐさま線路を走りだした。

 インド中部鉄道(Indian Central Railway)が公開した動画によると、シェルケさんが男の子を持ち上げてホームに戻し、自分もよじ登ったわずか2秒後に、ウダヤン・エクスプレス(Udyan Express)が大きな音を立ててプラットホームに滑り込んだ。

 現地紙ミッドデー(Mid-Day)はシェルケさんの話として「子どもが落ちて、そこに列車が速度を上げて向かっていくのが見えた。私が動かなければ、男の子は助からなかっただろう」と報じている。

 迫り来る列車は恐ろしかったが、「考える時間はまったくなかった。とにかく助けなくてはと思った」と述べた。

 インドの広大な、所々老朽化した鉄道網での死亡事故は珍しくない。(c)AFP