【4月21日 時事通信社】英国のエリザベス女王は21日、95歳の誕生日を迎えた。近く在位70年となる女王の個性、果たしてきた役割などについて、王室に詳しい関東学院大学の君塚直隆教授(英国政治外交史)に聞いた。

 ―夫フィリップ殿下の死去が与える影響は。

 葬儀に臨む女王の表情を見た。かなりショックだったと思う。心痛は理解できる。数週間は大変だろう。ただ、女王は「鉄の女」と表現していいほど強い方だ。2002年に妹マーガレット王女、母エリザベス皇太后を相次ぎ亡くしたが、同じ年に在位50年を迎え、記念行事をつつがなく終えた。来年、在位70年を迎えるが、これまでの経験と持ち前の強さで、国民のためにさらに頑張ってくれるのではないだろうか。

 ―譲位や摂政の可能性は。

 生前の譲位は一切ないと考える。あれだけ責任感の強い方だ。亡くなるまで女王だろう。摂政を立てることはあり得る。君主としての執務が不可能になった場合、チャールズ皇太子が摂政になるだろう。

 ―女王その人と治世の特徴は。

 時代と共に自ら変わり、失敗からすぐに学ぶことができる柔軟性だ。1997年のダイアナ元皇太子妃の交通事故死の後、女王は追悼の意を表すのが遅れ、国民から批判された。しかし、その失敗からすぐに学び、王室の声を積極的に発信するようになった。王室がホームページを立ち上げたのはちょうど97年だった。年次決算書を出し、ユーチューブ、ツイッター、インスタグラムを活用するなどして対外発信をどんどん進めてきた。女王の許可なくそうしたことはできない。21世紀の後半に英国に君主制を残していく上で、エリザベス女王は極めて重要な存在だ。(c)時事通信社