FIFA会長、相応の「結末」が待つと欧州SL構想に警告
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【4月21日 AFP】19日に発表されたサッカー欧州スーパーリーグの構想について、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が20日、参加したクラブには相応の「結末」が待っていると警告した。
これに対し、スペインのマドリードの裁判所は、計画を支持するような仮命令を発表したが、英国では参加予定だったプレミアのクラブが相次いで撤退を発表し、最終的には全6クラブが手を引く事態になっている。
ドル箱の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)や、プレミアリーグをはじめとした国内リーグの存在価値を脅かすスーパーリーグに対しては、すでに欧州サッカー連盟(UEFA)が計画を中止に追い込もうとする動きを見せている。
インファンティーノ会長もこれに同調し、スイスで行われたUEFAの総会で「欧州スポーツのモデルを守るのがわれわれの仕事であり、自分勝手な道を歩もうとする者は、その選択の結末とともに生きることになる」と述べ、「自らの選択に責任を持つべきだ」と警告した。
スーパーリーグ構想をめぐっては、スペインの裁判所がFIFAとUEFAに対し、大会からの追放をはじめとしたスーパーリーグ創設を阻む懲罰的な動きをやめるよう求める仮命令を出している。
一方、各所からの猛反発が起こる中で各クラブは参加を考え直しており、計画の亀裂が露呈している。イングランドではリバプール(Liverpool FC)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、アーセナル(Arsenal)、マンチェスター・シティ(Manchester City)、チェルシー(Chelsea)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)のプレミア6クラブが撤退を発表した。
米金融大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)からの資金的なバックアップを受けたスーパーリーグは、UEFAやFIFAだけでなく、選手やファン、さらには政府関係者からの激しい反発に遭っている。
英国では、ボリス・ジョンソン(Boris Johnston)首相がプレミア各クラブと英サッカー協会(FA)、サポーター団体の関係者と面会して彼らを「断固支持」することを伝えるとともに、スーパーリーグ創設を阻止するために「法制上の爆弾を投下」する可能性を示唆した。首相官邸も「一部のクラブが閉鎖的な店を開くようだが、首相は支持しない意向を示した」と発表している。
シティのジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督も、スーパーリーグが自身の考えるスポーツのあり方にそぐわないことを認め、「努力と成功との間に関係性がないものはスポーツではない」と発言。リバプールのユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督も、スーパーリーグの閉鎖的な性質は「正しくない」と話していた。(c)AFP