【4月21日 AFP】1週間余り前にリビアからチャドの現政権に対する攻撃を開始していた反政府勢力は20日、イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領が死去したことを受け、首都ヌジャメナに向けた進軍を続けると表明した。

 チャド軍によると、デビ氏は反政府勢力との戦闘を指揮していた際に負った傷が原因で死去した。直後にデビ氏の息子が軍事評議会トップとして暫定指導者に指名された。内閣と議会はいずれも解散されたが、チャド軍は1年半の移行期間後に「自由かつ民主的な」選挙を実施すると表明している。

 だが反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」の報道官はAFPがガボンの首都リーブルビルから行った取材に対し、デビ氏の息子が主導する移行を「断固として拒否する」と言明。「攻撃は続行する」と表明した。

 主にサハラ砂漠(Sahara Desert)のゴラン(Goran)人からなるFACTは、チャド大統領選の投票日である11日に侵攻を開始。チャド軍は1週間以上続いた戦闘で反政府勢力を「壊滅させた」と主張し、19日の発表では300人余りを殺害、150人を拘束したとしていた。

 だがFACTは18日、侵攻した地域の一つであるカネム(Kanem)州を「解放した」と主張。ただ、遠隔地の砂漠地帯にある戦闘地域の状況は確認が難しく、FACTの主張の真偽は不明だ。(c)AFP