【4月20日 AFP】(更新)欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は20日、米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、血栓を「非常にまれな」副反応として記載すべきだとの見解を示した。ただ、接種のメリットはリスクを上回るとしている。

 EMAは、同社製ワクチンと血栓発症が「関連している可能性」があるとの結論に達したと表明。同庁の安全委員会が「こうした事象は同ワクチンの非常にまれな副反応として記載されるべきだと結論した」とした。

 EMAは「調査を行った症例は、(英製薬大手)アストラゼネカ(AstraZeneca)が開発した新型コロナウイルスワクチンによる発症例と非常に類似していた」と説明している。

 EMAによると、米国では同ワクチンを接種した約700万人のうち8人が血栓を発症し、1人が死亡した。発症者はいずれも60歳未満で、大半が女性だったが、EMAは「現在あるエビデンスに基づくと、特定のリスク要因は確認されていない」としている。

 J&J製のワクチンは1回接種型。同社は先週、EMAの調査結果を待つ間、自社製ワクチンの欧州での接種開始を遅らせると発表していた。米国の規制当局はJ&J製ワクチンの接種を見合わせており、23日に今後の方針を発表する予定。

 J&J製とアストラゼネカ製のワクチンはいずれも、アデノウイルスベクター技術を用いて開発された。アストラゼネカ製ワクチンについては、EMAが安全性を確認し、血栓は「非常にまれな」副反応だとの見解を示していたが、欧州諸国の多くは使用を制限している。(c)AFP