【4月20日 時事通信社】キューバで「カストロ時代」が終わりを告げる中、冷戦時代から激しく敵対してきた米国では、対キューバ政策の見直しが進んでいない。1月に発足したバイデン政権は、最重要課題の新型コロナウイルス対策のほか、外交では中国やイランへの対応を優先せざるを得ないためだ。

 「キューバ政策の変更や追加措置は現状、大統領の外交政策で最優先事項に入っていない」。サキ大統領報道官は16日の定例記者会見で、キューバ政権が民主化に取り組む必要性を指摘した上で、米側は政策変更を急いでいないと説明した。

 米国とキューバはオバマ政権時代の2015年、双方の大使館を再開し54年ぶりに国交を回復。オバマ氏は翌16年、米大統領として88年ぶりにキューバを訪問した。

 だが、トランプ前大統領は、キューバが「何万人もの自国民を殺してきた勢力に連なる人々に、今日まで支配されている」と断じ、方針を180度転換。オバマ政権時代に緩和された渡航制限や商取引規制などの制裁を再び強化し、退任直前の今年1月には「テロ支援国」に再指定した。

 オバマ政権で副大統領を務めたバイデン大統領が就任したことで、米国は再び対話路線に戻ると見られていた。ロイター通信によると、ラウル・カストロ氏も共産党トップ退任前、「米国と敬意を持って対話し、新たな関係を構築したい」と語っていた。

 だがバイデン氏は就任以降、前政権時代にぎくしゃくした同盟国などとの関係修復に尽力している。中国、イラン、ロシアなど難しい外交課題を抱え、キューバ政策に手が回らないのが実情。来年秋の中間選挙をにらみ、フロリダ州などのキューバ系住民に根強い反カストロ感情に配慮している面もありそうだ。(c)時事通信社