【4月20日 AFP】欧州連合(EU)は19日、インド太平洋地域との関係強化を目的とする新戦略の立ち上げに合意した。インド太平洋海域への海軍派遣も含まれる可能性がある。

 27か国が加盟するEUは、米中はじめ各国がしのぎを削るインド太平洋地域を「EUの利益にとって戦略的に最重要」とみなし、関係強化を図ろうとしている。

 EU外相ビデオ会議の後、ドイツのハイコ・マース(Heiko Maas)外相は、「アジアは21世紀の政治・経済の主要な舞台の一つだ」と述べ、「欧州として実行力を維持したいのであれば、単に経済面からこの地域を見るだけではもはや十分ではない」と語った。

 EUは、台頭する中国と各国の海洋権益争いで緊張が高まる域内での「ルールに基づく国際秩序を育む」ことを目指すとし、「その目的は地域の安定、安全、繁栄、持続可能な開発に貢献することだ」と述べた。

 また同盟関係にある国々と協力して「重要な海上ルートの保護」を図り、海賊対策の合同演習を行うとして、「インド太平洋地域における欧州海軍の大きなプレゼンスは、将来的に重要だと認識している」と述べた。

 ただし、中国を刺激することを回避したいEU諸国が、最終的に海軍を派遣するかどうかは未知数だ。(c)AFP