【4月20日 AFP】サッカー欧州スーパーリーグ構想が発表されたことを受け、創設クラブに名を連ねているイングランド・プレミアリーグの強豪6チームのサポーター団体は、議論を呼んでいるこの計画を一斉に非難しており、中には「究極の裏切り」とする声もあった。

 プレミアリーグに所属するリバプール(Liverpool FC)やマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、アーセナル(Arsenal)、マンチェスター・シティ(Manchester City)、チェルシー(Chelsea)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)の他、レアル・マドリード(Real Madrid)、FCバルセロナ(FC Barcelona)、アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)、ユベントス(Juventus)、ACミラン(AC Milan)、インテル(Inter Milan)の12クラブが欧州スーパーリーグの創設クラブとなっている。

 この新大会に参加することで各クラブの財政面は潤うが、創設クラブとなったプレミアリーグクラブのサポーターは、欲望むき出しのこのプロジェクトに反対する姿勢をそろって示した。

 英調査会社ユーガブ(YouGov)が行った調査によると、プレミアリーグに所属する創設6クラブでは76パーセント、それ以外の14クラブでは88パーセントのファンがこの構想に反対しているという。

 サポーターズグループのチェルシー・サポーターズ・トラスト(Chelsea Supporters' Trust)は発表文の中で「世界中の会員やサッカーのサポーターは究極の裏切り行為に遭った」と記した。

「上層部の私腹を肥やす欲深い決断であり、忠実なサポーター、われわれの歴史や未来、この国におけるサッカーの今後を一切考慮することなく決定が下された。こんなことは許されない。もうたくさんだ」

 リバプールのサポーターズグループであるスピリット・オブ・シャンクリー(Spirit of Shankly)は、米国資本のオーナー企業であるフェンウェイ・スポーツ・グループ(Fenway Sports GroupFSG)の判断に「ぞっとした」と述べた。

 同グループはSNSに「執拗(しつよう)かつ貪欲に金銭を追求するFSGは、ファンを無視している。フットボールはわれわれのものであり、彼らのものではない。われわれのサッカークラブは彼らではなく私たちのもの」と投稿した。

 また、アーセナル・サポーターズ・トラスト(Arsenal Supporters' Trust)は、チームが欧州スーパーリーグへの参加に合意したことを「スポーツ団体としてのアーセナルの死」と評した。

 マンチェスター・ユナイテッド・サポーターズ・トラスト(Manchester United Supporters' Trust)は、この構想を1958年に発生した飛行機事故「ミュンヘンの悲劇」で亡くなった選手のレガシーを侮辱する行為だと呼んだ。

「1950年代にサー・マット・バスビー(Matt Busby)がチームをヨーロピアン・カップ(European Cup)に導いたときに現代のマンチェスター・ユナイテッドの基礎が築かれ、その後に悲劇と成功が続いた」

 トッテナム・ホットスパー・サポーターズ・トラスト(Tottenham Hotspur Supporters' Trust)も、欧州スーパーリーグを「われわれがとても大切にしているサッカー本来の価値を犠牲にした、強欲さと利己心に突き動かされるコンセプト」と非難した。(c)AFP/Steven GRIFFITHS