【4月20日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長は19日、欧州スーパーリーグの計画に関与しているクラブを批判すると同時に、ユベントス(Juventus)のアンドレア・アニェッリ(Andrea Agnelli)会長とマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のエド・ウッドワード(Ed Woodward)副会長に対して猛烈な怒りをあわらにした。

 ユベントスとユナイテッドを含めた欧州の主要12クラブが欧州スーパーリーグの新設を発表し、UEFA主催の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)が脅かされている状況を受けて、スロベニア出身のチェフェリン氏は「これまでの人生で多くの物事を見てきた。20年間にわたって刑事事件専門の弁護士を務めてきたが、このような人々を見たことがない」と語気を強めた。

 UEFAはアニェッリ氏をはじめ他の強豪クラブから試合数を増やしたいとの要望を受け、欧州チャンピオンズリーグのグループステージの試合数を現行の6から10に増やし、出場枠も現在の32チームから36チームに拡大する計画を立案した。

 しかし、欧州クラブ協会(ECA)の会長およびUEFA理事会メンバーとして、改革案に関して同連盟と交渉を行ってきたアニェッリ氏は、新フォーマットの承認とスーパーリーグの正式発表が行われる直前に両役職から退いた。

 チェフェリン氏は「まずエド・ウッドワードに関して言えば、彼は先週木曜日(15日)の夜に電話してきて、改革案にとても満足しており全面的に支持すると話し、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)制度に関してのみ協議を求めていた。その時点で、すでに彼は別のことに署名していたのは明らかだ」と話すと、「アンドレア・アニェッリには、あらゆる面において最も失望した。彼のようにうそを繰り返し、それを貫き通せる人間を見たことがない。信じられない」と続けた。

 特にアニェッリ氏に関しては「17日午後に話したとき、彼は『何も心配ない。単なるうわさだ。1時間以内に電話する』と話していた。それから、電話の電源を切っていた」と明かし、「その意地汚さときたら、全人類の価値が消滅してしまうほどすさまじい」と攻撃した。

 その一方で「これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話ではない。意地汚さ、身勝手さ、利己主義に他ならない」と強調し、「彼らはサッカーのことなど気にしていない。一部のクラブオーナーが注目しているのは、ゴールの数ではなく預金の額だけだ」と批判した。(c)AFP/Coralie FEBVRE