【4月20日 AFP】アフリカ・チャドの軍は19日、同国北部で1週間余り前に大規模な襲撃を開始していた反政府武装勢力との戦闘で、週末に武装勢力の戦闘員300人を殺害し、自軍兵5人が死亡したと発表した。

 重武装した反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」は、大統領選投票日の11日に隣国リビアの基地から襲撃を開始。選挙では、現職イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)氏の勝利が予想されている。

 軍報道官は、17日の戦闘で兵士36人が負傷し、反政府勢力の幹部3人を含む150人を拘束したと発表。これまでに「無力化された戦闘員は300人以上」に上り、政府軍の兵士5人が犠牲になったと明かした。

 政府は、ティベスティ(Tibesti)州とカネム(Kanem)州での反政府勢力による攻撃は終わったとしている。ただFACTは18日、カネム州を解放したと主張した。

 首都ヌジャメナにある米大使館は17日、同市内で暴力行為の恐れがあるとして、急用のない職員に国外退避を勧告。英政府も同様に、チャド内にいる国民に退避を促していた。

 過去30年政権を握ってきたデビ氏は、情勢不安定な地域の治安問題を選挙戦の争点に掲げてきた。初期開票結果が発表されるのは、25日以降になる見通し。(c)AFP