【4月19日 AFP】シリア人民議会(国会)のハムーダ・サバーグ(Hamouda Sabbagh)議長は18日、来月26日に大統領選を実施すると発表した。内戦下で2度目の大統領選となるが、投票は政府支配地域のみで行われ、立候補に10年以上継続した国内居住実績が必要なことから、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の再選が確実とみられる。

 2011年3月に始まったシリア内戦では、これまでに38万8000人以上が死亡し、総人口の約半数が自宅からの避難を強いられた。政治的解決の兆しはまだ見えていない。

 反体制派のナスル・ハリリ(Nasr Hariri)氏は、来る大統領選を「茶番」だと批判した。欧米諸国も先月、「公正で自由」ではない選挙には反対すると警告していた。

 シリアでは、反体制派が最後の拠点とする北西部イドリブ(Idlib)県など、政府の支配の及ばない地域がまだかなりある。イドリブ県とその周辺には約290万人が暮らすが、その3分の2は国内の他の地域で戦禍を被り、逃げてきた人たちだ。これらの地域では、大統領選の投票は行われない。

 また、トルコ軍および親トルコ系武装勢力の支配下にある国境地域や、政府軍が進駐していない北部クルド人地域でも、投票はできない。

 投票できるのは、政府支配地域に住むシリア人と、在外シリア人のうち居住国のシリア大使館に登録している人だけだ。

 また、立候補するにはシリア国内で継続して10年以上の居住実績と、与党バース(Baath)党が支配する人民議会の議員35人以上の推薦が必要とされ、外国に逃れている反体制派の立候補は不可能となっている。(c)AFP/Maher AL MOUNES with Rouba EL HUSSEINI in Beirut