【4月19日 AFP】オーストラリアとニュージーランドの間で19日、相互の入国者に感染対策の隔離措置を免除する「トラベルバブル」制度の運用が始まった。新型コロナウイルス流行で引き裂かれた家族らがようやく再会を果たし、空港には歓喜の渦が広がった。

 シドニー空港でニュージーランド行きの便への搭乗を待っていたデニス・オドノヒュー(Denise O'Donoghue)さん(63)は、「叫んで泣いて、ハグしてキスして、うれしくて…いろいろな感情がいっぺんにあふれ出てくるでしょうね」とAFPに話した。トラベルバブルの開始で、世界がある種の平常を取り戻しつつあると感じているという。

 トラベルバブル制度により、両国間では約400日ぶりに入国後の隔離措置なしでの行き来が可能になった。

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は、トラベルバブル実現のカギは両国がウイルスの封じ込めに成功したことだと称賛。「家族や友人(などの間柄の人々)にとって、心躍る大きな日だ」と述べた。

 ニュージーランド航空(Air New Zealand)のグレッグ・フォラン(Greg Foran)最高経営責任者(CEO)は、コロナ禍で苦境にある観光業界にとっても「記念すべき」日だとの見解を示し、「わが社にとっても真の転換点であり、復活の初日だ」と語った。

 映像前半はオーストラリア・シドニー空港で19日撮影。後半はニュージーランド・ウェリントンの空港で19日撮影。(c)AFP