【4月17日 AFP】ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)の墓地ではこれまで、夜間に埋葬が行われることはほとんどなかった。しかし、新型コロナウイルス感染の第2波によりこの数か月で死者が急増し、同市は対処不能な事態を避けるため、現在22の市営墓地のうち4か所で夜勤の従業員を増やして墓掘りに当たっている。市内では毎日600もの墓が掘られている。

 そのうちの一つ、中南米最大の墓地であるビラ・フォルモサ(Vila Formosa)共同墓地は、新型コロナウイルスによる死者がすでに36万人を超えているブラジルの被害の実情を如実に示している。

 午後6時、夜勤で働く従業員の出勤時間だ。発電機につないだ2台の大型ライトが墓をこうこうと照らし、ディーゼルエンジンの排気臭が辺り一面に漂う。

 感染拡大の第1波の真っただ中だった2020年5月、この墓地では3台のパワーショベルを使って1日に60の墓を掘っていた。今は、6台の重機で1日に200の墓を掘っていると、午後10時までのシフトで働いている従業員らは話す。

 サンパウロ市内では先月30日、過去最多の426人が埋葬された。現在1日当たりの死者は平均391人、埋葬される人の数は平均325人となっている。(c)AFP