【4月16日 AFP】米イリノイ州シカゴで、中南米系の13歳の少年が警察官に撃たれて死亡する事件があり、当局は15日、警察のボディーカメラの映像を公開した。

 事件は先月29日未明に発生。映像には、警察の前を走っていたアダム・トレド(Adam Toledo)さんが足を止め両手を上げた際に、胸を1発撃たれる様子が捉えられている。トレドさんは先週埋葬された。

 検察はトレドさんが武装していたとしているが、公開された映像では、トレドさんが撃たれた際、武器を手にしていた様子はなかった。

 米国では人種差別と警察の対応をめぐり、すでに緊張が高まっている。ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)では現在、アフリカ系米国人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんを殺害した罪に問われている白人の元警察官の裁判が行われている。また同市近郊では11日にも、武器を持っていなかった黒人男性が警察に撃たれて死亡する事件が発生し、暴力的な抗議デモに発展した。

 シカゴのローリ・ライトフット(Lori Lightfoot)市長は先に、トレドさんが事件発生当時、銃を持っていたと繰り返し述べていたが、15日の記者会見では、銃の所持については言及しなかった。

 関係当局が現在、事件の対応に当たっていた警察のボディーカメラなどの映像や、防犯センサーに記録された音声の分析を進めている。(c)AFP/Bob Chiarito