【4月18日 Xinhua News】中国科学院西北生態環境資源研究院はこのほど、最新の研究で青海チベット高原南部の槍勇氷河と北部の老虎溝12号氷河に含まれるマイクロプラスチックの存在と発生源を解明したと発表した。これにより、マイクロプラスチックの循環研究にグローバルな視点を提供する。

 同院の康世昌(Kang Shichang)研究員によると、マイクロプラスチックとは粒径5ミリ以下のプラスチック粒子や繊維のことで、海洋生態系に影響を及ぼす恐れがある。

 マイクロプラスチックはまた、北極圏の積雪や人間活動から遠く離れた自然保護区でも見つかっており、大気を通じて運ばれることが判明している。

 これまでの研究から、青海チベット高原は南アジアや中央アジアから国境を越えて運ばれてきた大気汚染物質の影響を受けていることが明らかになっている。

 同高原の氷河は人間活動の影響から遠く離れており、マイクロプラスチックが大気を通じて運ばれることを実証するのに最適な場所となっている。その存在と発生源は、大気中での移動の法則を理解する上で重要な意味を持つ。

 康氏とチームメンバーは青海チベット高原南部の槍勇氷河と北部の老虎溝12号氷河で雪氷のサンプリングを実施。いずれの試料からもマイクロプラスチックが検出された。

 同院の張玉蘭(Zhang Yulan)副研究員は、検出されたマイクロプラスチックは繊維状、断片状、フィルム状の三つの形状があり、繊維状の割合が特に多いと説明。色とりどりで100マイクロメートル以下のものが多く、試料からはポリアミドやゴム、ポリプロピレンなど7種類のポリマーが検出された。

 張氏によると、関連モデルを分析した結果、同高原のマイクロプラスチックには近距離から運ばれたものだけでなく、長距離のものも含まれていることが実証された。張氏は「粒径100マイクロメートルのマイクロプラスチックは局所的なものが多く、1マイクロメートルや10マイクロメートルのものは主に長距離の大気輸送によるものだ」と説明した。

 研究成果はこのほど、国際学術誌「Science of The Total Environment」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News