【5月2日 AFP】米国人アーティストのビープル(Beeple)が制作したデジタルコラージュ作品が先ごろ、6930万ドル(約75億円)で落札された。存命アーティストの作品として落札額トップ5の作品をまとめた。

■1位「ラビット」 ジェフ・クーンズ

 2019年5月、米ニューヨークの競売大手クリスティーズ(Christie's)で、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)氏(66)がバルーンアートのウサギをモチーフに制作したステンレス製の彫刻「ラビット(Rabbit)」が、9110万ドル(約99億円)で落札された。

 1986年制作、高さ1メートル強のこのウサギは、クーンズ氏の最も有名な作品の一つで、存命作家としては最高額。

 ただし、2017年に史上最高額で落札されたルネサンス期の巨匠レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の絵画「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)」の4億5000万ドル(約488億円)と比べるとかすんでしまう。

■2位「芸術家の肖像画」 デービッド・ホックニー

 それ以前に存命アーティストの落札額として最高記録だったのは、英国生まれの画家デービッド・ホックニー(David Hockney)氏の代表作「芸術家の肖像画―プールと2人の人物―(Portrait of an Artist(Pool with Two Figures))」。2018年11月に9030万ドル(約98億円)で落札された。

 1972年に完成されたこのカラフルな油絵には、小ぎれいな身なりでプールサイドに立つ男性が、プールで泳ぎながら向かってくる男性を物思わし気に見つめる様子が描かれている。

■3位「Everydays: The First 5,000 Days(毎日 最初の5000日間)」 ビープル

 3月11日、米ニューヨークのクリスティーズで6930万ドル(約75億円)で落札された米国人アーティスト、ビープルのデジタルコラージュ作品。デジタル作品としては史上最高額だ。

 本名マイク・ウィンケルマン(Mike Winkelmann)氏は、1日1作品を制作し、出来上がった5000作をコラージュとして一つにまとめた。

 2007年5月に創作を始めた当時は作品を売ったことがない、仕事に飽きたウェブデザイナーだったという。

 13年を費やして完成したこの作品は、ブロックチェーン技術を用いることで唯一無二の作品であることを保証する非代替性トークン(NFT)作品として競売にかけられた。