【4月16日 AFP】世界フィギュアスケート国別対抗戦(ISU World Team Trophy in Figure Skating 2021)は15日、大阪で初日が行われ、男子シングルのショートプログラム(SP)では米国のネイサン・チェン(Nathan Chen)が109.65点で1位となり、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が107.12点の2位に入った。しかし、チームの総合順位ではロシアが合計49点で首位発進し、米国が同47点で2位に続き、日本は同42点で3位につけている。

 スウェーデン・ストックホルムで開催された先月の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2021)で3連覇を達成したチェンは、今大会でまたしても羽生を上回る輝きを放った。開催まで10か月を切った北京冬季五輪では、2大会連続で金メダルを獲得している羽生の牙城を崩すことを目指している中、演技後には「この大会では、とにかく自分自身が楽しむことが目標だ」と話すと、「今シーズンはこれが最後で初めての有観客大会になるから、気持ちがすごく高まっているし、より励みになっている感じがする」とコメントした。

 一方の羽生は、ぜんそく持ちで新型コロナウイルスに感染すれば健康面のリスクが高まることから今季のグランプリ(GP)シリーズを欠場していたが、この日はリンクに立つ中で念頭にあったのは3位に終わった世界フィギュアの「リベンジ」だったといい、「世界選手権での悔しさみたいなものは少なからずあった」と明かした。

 また、チームメートの宇野昌磨(Shoma Uno)が崩れて点数が伸びず、日本の期待を背負っていた中で「自分が一番貢献できることは、自分の演技に入り込んで、自分のペースでやることだと思っていた」とも語った。

 女子シングルのSPでは、先月17歳になったばかりのアンナ・シェルバコワ(Anna Shcherbakova、ロシア)が自己ベストの81.07点でトップとなり、世界フィギュアに引き続いて首位発進した。同大会の銀メダリストである同胞のエリザベータ・トゥクタミシェワ(Elizaveta Tuktamysheva)が80.35点の2位に続き、坂本花織(Kaori Sakamoto)が77.78点で3位に入った。(c)AFP