【4月16日 AFP】米国は15日、ロシアによる米大統領選介入や大規模なサイバー攻撃などの敵対行為に対する報復として、関係者への制裁措置発動とロシア外交官10人の国外追放を発表した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は今週、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と電話会談し、両者では初となる首脳会談を提案したばかり。ただ米政府高官は、両国間の緊張を緩和する上で首脳会談が今も「不可欠だ」との見解を示している。

 バイデン氏は大統領令を通じ、国内銀行のロシア国債取引に対する規制を強化。さらに、スパイとされる人々を含むロシア外交官10人を国外追放とし、昨年の大統領選挙に介入したとされる32人に制裁を科した。

 米政府は制裁の理由として、ロシアの情報機関が2016年と20年の大統領選で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領を支援するため選挙戦に介入したことや、米IT企業ソーラーウィンズ(SolarWinds)製のセキュリティーソフトウエアに対する大規模なサイバー攻撃を挙げている。

 米ホワイトハウス(White House)は声明で、バイデン氏の命令は「ロシアが国際的な不安定化行動を継続したり、エスカレートさせたりするのなら、米国は戦略的かつ、経済的に影響力のある方法で代償を支払わせる、という合図だ」と述べた。

 ロシア政府は15日、制裁措置は首脳会談実現への機運を「改善」はしないと言及。ロシア外務省は、同国が米国の発表に対して何らかの対応をすることは「避けられない」と警告した。(c)AFP