【4月16日 AFP】英国で17日に執り行われるフィリップ殿下(Prince Philip)の葬儀について、英王室は15日、参列する王族は軍服ではなく平服を着用すると発表した。国内紙は、軍服着用の是非が取り沙汰されていたアンドルー王子(Prince Andrew)とヘンリー王子(Prince Harry)に配慮したと報じている。

 ヘンリー王子はアフガニスタンに2回従軍した元英陸軍大尉だが、昨年の王室離脱に伴い、軍の名誉称号を失った。現在では王室の儀礼により軍の礼装着用が認められず、勲章付きのスーツを着ることしかできない。

 アンドルー王子は1982年のフォークランド紛争(Falklands War)で、海軍のヘリコプターパイロットとして従軍。昨年の60歳の誕生日に、名誉大将の称号を受けることになっていた。

 だが、性犯罪歴のあった米富豪、故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)元被告との交友関係が取り沙汰され、2019年に公務から引退。名誉称号の授与も保留された。

 英大衆紙サン(Sun)は、アンドルー王子が軍服で葬儀に参列した場合、海軍内に「深刻な不満」が生じるだろうと報じた。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、王族で前線任務経験があるのは両王子のみであり、その2人だけが軍服を着ないという事態を避けるため「激しい議論」が交わされた。最終的に、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が「個人的に介入」し、平服を着用して王室の一体感を示すことを提案したという。(c)AFP