【4月16日 Xinhua News】中国原子力産業協会(CNEA)は14日、原子力発電に関する年次報告書で、第13次5カ年規画(十三五、2016~20年)期間中に商業運転を始めた原子力発電ユニットは20基、設備容量は2344万7千キロワット(kW)だったと明らかにした。

 新たに建設を始めたユニットは11基で、設備容量は1260万4千kW。報告書は、建設中の設備容量で中国が世界一を維持していると指摘した。CNEAの張廷克(Zhang Tingke)秘書長によると、20年は第3世代原子炉「華竜1号」3基が着工し、同年末時点で建設中の原発ユニットは17基、設備容量は1853万kWとなった。中国は「十三五」期間中、原発設備の国産化を進め、独自知的財産権のある重要設備の製造技術を確立。20年に中国国内で引き渡しが完了した原子炉圧力容器や蒸気発生器、炉内構造物などの主要設備は31基(セット)に上った。第3世代原子炉の国産化率は88%を超え、主要設備の供給能力も年間8~10台(セット)と、世界有数の建設能力を誇る。

 20年の原子力発電量は前年比5・0%増の3662億4300万キロワット時(kWh)で世界2位。国内発電量に占める割合は4・9%だった。中国本土で商業運転中の原発ユニットは同年末時点で48基、設備容量は4988万kWで、米国、フランスに次ぐ世界3位。原発の総設備容量が国内の発電設備容量に占める割合は2・7%となった。

 20年の原子力発電による二酸化炭素(CO2)排出削減量は2億7442万3800トン、二酸化硫黄(SO2)は89万300トン、窒素酸化物(NOx)は77万5100トンだった。削減効果は77万1400ヘクタールの植林に相当する。中国ではこの10年、原子力発電量が増加を続け、安全な電力供給の確保と省エネ・排出削減に大きく貢献している。(c)Xinhua News/AFPBB News