■「リビアの消費者は有機野菜を求めるようになった」

 水耕栽培は、理論上は従来の農法に比べると収穫量も収益も多い。従来の農法は、天候や水不足の影響を受ける一方で、野放図な農薬散布による汚染のリスクもある。

 ベチアさんは、「リビアの消費者は農薬まみれの野菜にそっぽを向き、有機野菜を求めるようになった」と指摘する。

 水耕栽培の野菜は農薬まみれではないにしても、味が水っぽいとけなされることもある。また一般的には有機野菜には分類されないが、専門家は、リビアの水不足を補う新たな農法として、水耕栽培に期待を寄せている。

 とはいえ、普及するにはまだ多くの障害がある。手間がかかり、リビアで必要な材料を調達するには費用がかかり過ぎると専門家は指摘する。

 それでもベチアさんはくじけない。「根気強く続けて、信念を貫くしかありません」 (c)AFP/Jihad Dorgham