【4月15日 People’s Daily】中国雲南省(Yunnan)の16市・州、60以上の県を走り回った。これは全国政治協商委員を務める雲南省農業科学院の李学林(Li Xuelin)院長の昨年の職務の足跡だ。農家と膝を突き合わせて交流し、雲南省の農業発展状況を把握し、農村産業の発展の道を探るためだ。

「訪問中、農村産業を大いに発展させ、強くさせるには、農業テクノロジーの支えが重要だと痛感した」と、李院長は地方に調査に行く度、必ず現地の農業の優位の特色ある産業発展ニーズを結びつけ、農民大衆に対して狙いが明確な技術指導を提供する。また、彼は雲南省農業科学院の専門家チームを組織し、全省の人口が少ない民族のために「農村産業発展科学普及叢書」を作成した。

 雲南省は中国の切り花、野菜、果物、野生菌類などの生鮮農産物の重要な産地だ。近年、これらの特色ある農産物の輸出量の伸びが速かったが、コールドチェーン物流の発展が遅れており、農産物の品質や鮮度に影響を与えているという問題が李院長の目に留まった。彼によると、雲南省の新鮮な農産物は主に道路輸送を主とし、輸送中に普通の氷瓶、氷袋利用での輸送が約95%で、コールドチェーンの輸送は約5%にすぎない。科学的理論に基づかない冷蔵車は全省で約3000台に上ると推計されている。

 農産物ごとに異なるコールドチェーン輸送方式が必要になるのはなぜか。昨年8月、李院長はチームを組織して昆明(Kunming)などに行った。物流会社、果物卸売市場、野菜栽培販売のトップ企業を相次いで調査した。その後、彼は雲南省内の港も訪れ、周辺国の農産物の輸入、およびその後の国内輸送中のコールドチェーンの物流状況を調査した。大量の調査研究に基づき、李院長は自らの主導で「雲南省の農産物のコールドチェーンの物流建設状況に関する特別調査報告」を執筆し、関連部門の方策決定のための参考資料を提供した。

 今年の中国全国人民代表大会・政治協商会議(いわゆる「両会」)では、李院長は農産物のコールドチェーン物流の発展の加速を支援するための提案を提出した。彼は関連部門により力強い支援を継続的に拡大するよう提言した。提言内容は、農業大省が農産物の生産・販売・輸送のインフラの課題を解決することを支援し、収穫後の鮮度保持施設の産地での建設を重視し、経営主体が産地で専門の鮮度保持処理システムを建設するように奨励し、農産物のオンライン流通のための産地での倉庫建設を支援すると同時に、さらに特色ある農産物の優質・優待価格のブランドイメージを構築し、農業の効果と農民の増収の向上を促進する等に及んだ。(c)People’s Daily/AFPBB News