【4月15日 People’s Daily】XR技術とは現実を拡張することで、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)技術の総称だ。ウエアラブルデバイスとコンピューター技術を通じて、受け手に現実と仮想を結びつける、ヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)の環境を生み出すことができる。XR技術の確立によって、「クラウド」活動、バーチャル世界などXRの応用シーンが近年一般大衆の生活に入り、新たな消費市場を開拓してきた。データによると、現在、世界のXR産業の発展における市場規模は204億ドル(約2兆2200億円)を超えている。

 今年の中国中央テレビ(CCTV)の春節聯歓晩会(旧正月前夜に放送されるバラエティーショー)では、XR技術の応用により、現場に来られない香港や台湾の歌手の北京の舞台での「登場」を実現させた。同番組の夏雨(Xia Yu)副監督は、XR技術サポートの下、人や道具とバーチャルリアリティーシーンが完璧なインタラクティブ・組み合わせを実現させたと述べた。例えば、XRの遠隔地の同期撮影を通じて、台湾出身の歌手の周傑倫(Jay Chou)さんは台北のスタジオで実際に撮影を行い、北京の現場とXRスタジオのバーチャルリアリティーシーンを結びつけ、全国の視聴者に前代未聞の視聴体験をもたらした。

 XR技術の応用は「時を超えた世界旅行」という幻想的な旅を可能にした。

 深セン市(Shenzhen)にある洲明XR体験館は先日、市民のために「デジタルテクノロジーXRの旅」を企画・実施した。XR技術と現場のLED表示シーンとの高度な融合を通じ、宇宙航行テクノロジー愛好者は地球から数万キロの宇宙を「訪問」し、軌道上にある衛星に親しく接触することができる。自然探求が好きなジャングル冒険家は、ジュラシック時代に戻り、生気あふれる熱帯雨林で有史以前の巨獣に立ち向かうことができる。

 現在、XR技術はスマート旅行建設の応用シーンに活用されている。XRスマート旅行ソリューションプロバイダーの昆明エッシャー科技有限会社(ESCHER)の責任者によると、XR技術は観光地に時空望遠鏡、観光案内などのシステムを作成し、VR/ARメガネや携帯アプリとブラウザーなどの端末方式を通じて、観光客への展示を可能にした。「オフライン観光より、XR技術の『リセット』後のシーン体験がより豊富で多彩になった」という。

 XR産業の未来は無限の可能性に満ちており、そのポテンシャルを引き出す「触媒」が、まさに現在急速に発展している5G通信技術だ。

 業界関係者によると、5Gの大規模な展開と応用イノベーションの実行の絶え間ない推進につれ、5G+XRというモデルは社交、事務、娯楽、展覧、教育などで多くの新しい応用シーンを生み出している。これはXR産業に広大な発展空間を生み出していくだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News