【4月15日 AFP】欧州連合(EU)は14日、欧州での米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製新型コロナウイルスワクチン供給開始が延期されたことを受け、不足分を補うために米製薬大手ファイザー(Pfizer)製ワクチン5000万回分の入手を前倒しすると発表した。

 J&Jは13日、接種後のまれな血栓発症報告を受け、欧州への同社製ワクチン供給を延期すると発表。一部の国で新型ウイルスの流行が悪化する中、欧州ですでに滞っている接種計画は大きな打撃を受けた。

 当初年末に予定されていたファイザー製ワクチン5000万回分の供給は、今年第2四半期(4月〜6月)中に前倒しされ、今月中にも到着し始める見通し。

 欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長はJ&J製ワクチンの遅延に言及し、「計画されているワクチン供給日程を混乱させうる要因はまだ多く存在する」と指摘。「したがって、可能な限り迅速に行動し、予測・調整することが重要だ」と述べた。

 J&J製ワクチンについて、欧州医薬品庁(EMA)は14日、血栓発症との関連を評価した上で、来週、安全性に関する勧告を出すと表明した。(c)AFP/Marc Burleigh, with Camille Bas-Wohlert in Copenhagen