【4月14日 AFP】世界57か国の半数近くの女性が、性交や避妊、医療を受けるといった自分の体に対する自己決定権について制限されているとの報告書を、国連人口基金(UNFPA)が14日、発表した。

 報告書「私の体は私のもの(My Body is My Own)」は、女性の身体自主権(身体的インテグリティー)について初めて触れており、57か国の女性を対象に、レイプや強制不妊、処女検査、女性器切除など女性への暴力について調べた。

 UNFPAは「こうした身体自主権の欠如は、女性や少女個人への深刻な危害を超えた重大な影響を及ぼす。経済的生産性や技能の低下を招き、その結果、医療と司法制度に余分な費用を発生させる可能性がある」と指摘している。

 報告書によると、詳細な性教育の提供を法律などで定めているのは調査対象国のうち56%にすぎなかった。

 UNFPAのナタリア・カネム(Natalia Kanem)事務局長は「実質的に、数億人もの女性と少女が自分の体を所有していない。彼女たちの人生は他人に支配されている」と述べた。

 報告書によると、20の国と地域でレイプ加害者が被害者と結婚することで、刑事罰を逃れることを認める法律がある。また、43か国では夫婦間のレイプを規定する法律がなく、30か国以上で女性の自宅外での行動が制限されている。(c)AFP