【4月14日 AFP】東京五輪の開幕まで残り100日となる中、聖火リレーが日本各地で続き、世界中の選手が練習のペースを上げている。日本では新型コロナウイルスの感染が再び急増し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は依然として難しい課題に直面している。

 日本を含めた世界各地での感染再拡大は、本大会に向けた準備に混乱を引き起こしており、開催の可能性に対する不安も増している。聖火リレーは規模を縮小し、史上初となる海外客の受け入れ見送りが決まっただけでなく、国内の一部では新たにまん延防止等重点措置が適用された。

 その中で、組織委は開催への自信を崩さず、公には開催の方法に集中するばかりで、開催の可否については口にしていない。

 政府は参加者のワクチン接種を義務化していないが、国際オリンピック委員会(IOC)は接種を推奨し、ワクチンの足りていない国の選手には中国製ワクチンを提供する考えを示している。北朝鮮は不参加を表明したが、今のところ追随する国は現れず、選手も国際舞台への復帰を心待ちにしているように見える。

 米競泳のケイティ・レデッキー(Katie Ledecky)は「この14か月の間に、みんなモチベーションは非常に高まっている」と話し、「東京では、これまでの努力の成果を世界の人たちにぜひ見てもらいたい」と意欲を見せた。

 国内では池江璃花子(Rikako Ikee)が白血病の発症からわずか2年で復活を遂げ、リレーで東京五輪の代表入りを内定させたことも追い風になっている。

 しかし、歴史的な延期から1年がたつ今も、良い知らせばかりというわけではもちろんない。

 国内では新型ウイルスの感染者数が再び急激に増え始めており、政府は緊急事態宣言の解除からわずか数週間で再度の引き締めを強いられた。大阪では公道での聖火リレーが中止になり、万博記念公園内の閉じた場所で、見物客を入れずに実施している。

 感染対策の一環で国外の関係者が入国できないため、テスト大会が中止になったり、予選が中止や延期になったりした競技もある。大会に向けた国内の雰囲気も歓迎ムードからはほど遠く、どれほどの人が観戦を望むかは不透明。世論調査でも中止か延期を望む声は根強く、わずか11パーセントだった1月からは増えたものの、3月の調査での開催賛成は約27パーセントだった。

 それでも、組織委は安全で安心な五輪を提供できると自信を見せている。AFPの質問状に対して、組織委は「新型ウイルスをめぐる状況が世論に影響するのは自然なこと」と回答し、ほとんどの五輪で開幕前には批判があったことを指摘しつつ、7月23日に開会式を迎えて競技が始まれば、ムードも変わるはずだと期待した。

「選手の強さと反発力には、常に人々を勇気づける力がある。今年の大会は、特にそのことが言えるだろう」 (c)AFP/Sara HUSSEIN