【4月14日 AFP】香港紙「大紀元時報(Epoch Times)」の印刷工場に12日、ハンマーを持った集団が侵入し、印刷機を破壊した。これを受けて同紙は翌13日、「絶対にひるまない」と表明した。

 同紙が公開した監視カメラの映像には、12日未明にマスク姿の男4人が印刷工場に押し入り、機材をたたき壊す様子が映っている。さらに一行は、おびえる職員らの目の前で、コンクリート片を機器の中に投げ込んでいた。

 大紀元は、気功集団「法輪功(Falun Gong)」系の新聞。法輪功は中国本土では非合法組織とされているが、高度な自治が認められている香港では活動を維持しており、法輪功実践者が街中で同紙を配布している。

 紙版が8言語で発行され、電子版は21言語で配信されている。中国政府を厳しく批判する記事を頻繁に掲載しており、またドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領に対し、強固な支持を示してきた。

 物議を醸すこともあり、熱烈な反中・親トランプメディア帝国を築くために、攻撃的なソーシャルメディア戦略をとり、右派の偽情報を流しているといった批判にもさらされている。

 大紀元は「今回の事件は、香港の報道の自由を抑圧するために行われ、真実を伝えるメディアを沈黙させる意図があった」「われわれは暴力を非難し、絶対にひるまない」との声明を出した。

 映像は襲撃の瞬間が映されていた監視カメラ映像と被害状況。13日提供。(c)AFP/Jerome TAYLOR