【4月14日 People’s Daily】中国衛星測位システム管理弁公室は、昨年7月31日に全面稼働した衛星測位システム「北斗(Beidou)3号」が安定して運用されており、世界で活用されていることを報告した。

 北斗3号に使われている国産のチップやモジュールは国際的な同種の製品に匹敵しており、さまざまな産業に使用されている。北斗の基礎製品は東南アジア、南アジア、西アジア、東欧、アフリカなど約120か国・地域に輸出。国土の正確な測量、精密農業、デジタル施行、スマート港湾に応用され、巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」関連国の社会発展に貢献している。

 米アップル社を含む世界の主要スマートフォン企業が北斗衛星測位システムに対応することを決めており、2020年第4四半期(9~12月)で北斗システムに対応するチップを搭載したスマートフォンは79%に達した。

 年内には、北斗の端末を通じてスマートフォンでショートメッセージを送受信できるサービスも開始。モバイル通信とショートメッセージ通信の統合が実現する。北斗の高精度地上補強情報もスマートフォンに取り入れられ、1メートル単位の測位が可能に。既に複数の都市で北斗高精度アプリが試行されている。

 北斗システムは幅広い産業と市場を結びつける役割を果たしている。IoT(モノのインターネット)、自動運転、AI(人工知能)、5G通信、ブロックチェーンなどの先端技術の結びつきを強化し、新しい産業やビジネスモデルを生み出している。

 北斗は国家レベルの衛星測位(PNT)システムの構築も推進している。全世界の人類へのサービス向上のため、より高度でユビキタスなPNTシステムを2035年までに実現することを目指している。(c)People’s Daily/AFPBB News