【4月14日 AFP】インド洋に浮かぶフランス海外領レユニオン(Reunion)島で、新型コロナウイルス対策の夜間外出禁止令を回避してキャンプを張り、噴火見物を楽しんでいる人々がいる。

 同島のフルネーズ火山(Piton de la Fournaise)ではたびたび、壮大な噴火を見ることができる。9日には今年初めての噴火が始まった。

 しかし同島は3月5日以降、午後6時から翌朝5時までの夜間外出禁止令が出されている。そこで住民らは夜の絶景を楽しむために思い切った手段に出た。

「噴火が最も美しいのは夜だ」と言うアマチュア写真家のマルク・ジャンス(Marc Gence)さんは、夜間外出禁止令を回避する方法を思い付き、火山の近くにキャンプを張り、数日間そこを「自宅」とした。

 ジャンスさんは「外出はしていないし、眺めは最高だった」と述べ、10日夜に撮影した噴火の写真をうれしそうに見せた。

 他にも数人が、噴火を見物しようとキャンプを張っている。しかし、レユニオン当局は、夜間外出禁止令をすり抜けてキャンプを張る人々を阻止するために動き出した。

 レユニオン県のジャック・ビラン(Jacques Billant)知事は、「ウイルスの拡散につながる密集を避けるため」、13日夜から全島でキャンプを全面禁止すると発表した。警察関係者によると、治安部隊が違反者の取り締まりを強化する用意をしている。

 別のキャンパー、ジャンフランソワ・ローレ(Jean-Francois Lauret)さんは、それでも何人かの友人はキャンプを続けることを決めたと語った。「理由はよく分かる。夜の噴火は魅力的だから」

「それにキャンパーを見つけようと思ったら、警察はかなりの距離を歩かなければならないだろう」と、ローレさんはいたずらっぽく語った。

 キャンプを張っているのは熱狂的な人々だけだが、噴火を一目見ようと車で現地に行き夜間外出禁止令が始まる前に帰る住民は大勢いる。

 妻と2人の子どもを連れて車で火山に来たパスカル・ローレ(Pascal Lauret)さんは、「大勢が火山を目指し、大渋滞が発生している」と語った。火山へのルート上では、何十人ものドライバーが無断駐車で罰金を科せられている。(c)AFP/Mahdia BENHAMLA