【4月15日 CNS】最新テクノロジーを活用して貴重な文化財の修復に取り組んでいる北京市・故宮博物院(Palace Museum)で、書画修復チーム長の楊沢華(Yang Zehua)氏が「蒋懋徳(Jiang Maode)山水画」の修復作業について紹介した。

「蒋懋徳山水画」は、清朝の宮廷画家が故宮北東部に位置する符望閣の軒先を飾るため絹地に描いた作品。長さ446センチ、幅は282センチあり、これだけの大作を修復するのは故宮でも初めてとなる。損害を与えずに劣化の状況を調べる「非破壊検査法」や「顔料検出分析技術」などの最新技術で傷みを分析し、伝統的修復技術と結合して作業をする。修復の過程では透過光を使った撮影やエックス線撮影、人間の目では見えない光の波長も可視化するマルチスペクトルイメージングも取り入れる。

 楊沢華氏は「この修復手法は『文化+テクノロジー』という現在の文化財保存のあり方を端的に表している」と説明している。(c)CNS/JCM/AFPBB News