【4月13日 AFP】インターネットへの接続を遮断し、情報統制を行うミャンマーの軍事政権に対抗するため、同国の若者らはニュースレターを地下出版し、いくつものコミュニティーにひそかに提供している。

 世界のネット接続状況を監視する英団体ネットブロックス(NetBlocks)によると、クーデターが起きたミャンマーではインターネットの遮断が50日以上続いている。

 ニュースレターの地下出版に乗り出したリン・タント(Lynn Thant)さん(仮名、30)は、若者へのアピールを考慮し、これを「モロトフ(Molotov)」と名付けた。

 地下出版に伴うリスクは認識しているという。現地の人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」のデータによると、2月1日のクーデター以降、逮捕者は3000人以上に上っている。

 また、俳優や歌手、ソーシャルメディアのインフルエンサーら著名人200人に逮捕状が出されている。国軍への反対意見の拡散では、最高で実刑3年の有罪判決が言い渡される。

 ガイ・フォークス(Guy Fawkes)の仮面を着けて取材に応じたリン・タントさんは、「革命的な文章を書いてこのように配布すれば、長きにわたり刑事施設に収容されるかもしれない」と述べ、「私たちの一人が逮捕されても、モロトフを出し続ける若者はいる。たとえ私たちの一人が殺されたとしても、別の誰かがこれをやる。この革命が成功するまで、モロトフは存在するだろう」と続けた。

 モロトフについてリン・タントさんは、これまでにフェイスブック(Facebook)を通じて3万人以上に届けられており、その多くはZ世代のデモ参加者だと説明した。

 モロトフのコピーは、街中の食料品店などでも警察に見つからないよう配布されている。

 映像は10日撮影。(c)AFP