【4月22日 AFP】ミャンマーでは、何万人もの労働者が2か月以上にわたってストライキを続けている。ストの狙いは経済まひを起こし、それによって、文民指導者のアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏を2月1日に追放した金満な軍上層部に抗議の声に耳を傾けさせることだ。

 この市民的不服従運動には、銀行員、医者、技師、税関職員、港湾労働者、鉄道職員、衣料品工場の従業員らが仕事の手を止めて加わっている。

 反クーデターデモに対する国軍の弾圧で死亡した700人を超える人の中には、スト中の労働者も含まれている。逮捕されたか行方不明になっている労働者も大勢いる。街頭デモに参加できなくても、思い切った行動を取らざるを得なかったと言う人もいる。

「もうお金もなくなったし、すごく怖い。でも他に手がない。独裁制は倒さなければ」と銀行員のエイさん(26)はミャンマーの最大都市ヤンゴンでAFPに語った。「路上ではデモはしない。軍のリストに載せられて逮捕されるのは怖すぎる」とエイさん。「私たちは静かな革命を行っているんです」

 国軍は国営メディアを通じて人々に仕事に戻るよう呼び掛け、脅しをかけているが、スト参加者は自分たちの力が強まっていると話す。

「私たちの運動は広がっている」と民間航空で働くタウンさんはAFPに語った。部署の従業員400人の半数以上は職場に復帰していないという。

 こうした混乱で、アジアの最貧国の一つで、新型コロナウイルスの大流行で打撃を受けているミャンマーはさらに弱体化している。国民の4分の1は、1日1ドル(約110円)以下で暮らしている。

 世界銀行(World Bank)は現時点で、ミャンマーの2021年の国内総生産(GDP)成長率はマイナス10%になると予想している。スー・チー氏の文民政府が主導した民主化移行中にミャンマーは大幅な経済成長を実現したが、そこから大きく後退することになる。