【4月14日 People’s Daily】14億人の人口大国の中国にとって、食糧の安全保障は永遠の課題となっている。

 今年の政府活動報告は、食糧生産量は6500億キロ以上を保つことを掲げた。調査によると、中国の食糧はすでに「17年連続で豊作」で、直近6年間は6500億キロ以上を保っていることが分かった。現在、中国の1人当たりの食糧占有量は474キロで、1人当たり400キロの国際食糧安全基準を長期に渡り連続で超えている。今年の両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)に参加した代表委員は、中国は食糧安全をきわめて重視しており、食糧生産のファンダメンタルズは引き続き良好を保っている。食粮安全という重責を担いさえすれば、必ず農業のカギをしっかりと握り、経済社会の健康な発展のために確固とした支えを与えられると述べた。

 食糧の安全保障には、農業テクノロジーの活用が欠かせない。2020年の中国の農作物耕種・収穫の機械化率は71%に達し、農業テクノロジーの進歩による貢献率は60%という新しい階段を上った。

「テクノロジーで食糧の収穫高レベルを高める。私たちは実践を通してテクノロジーの利益を実感した。近代化した育種、栽培技術は、食糧などの農産物の生産量を明らかに高めただけではなく、効果的に品質を向上させた」と、黒竜江省(Heilongjiang)海倫市(Hailun)向秋野菜栽培農民専業合作社理事長の高向秋(Gao Xiangqiu)代表が語った。

 農業の近代化の実現には、種子がその基礎であり、食糧安全保障には、種子がカギになる。政府活動報告は、遺伝資源の保護利用と優良品種の育種の普及を強化し、農業の重要なコア技術の難関攻略を展開しなければならないと打ち出した。

 現在、中国の農作物の自主育種品種の栽培面積は95%を超え、農作物の優良品種のカバー率は96%以上をキープし、水稲と小麦の2大穀物の品種は完全に自給できるようになった。

 食糧生産の基本は耕地にある。政府活動報告では、高基準農地の建設基準と品質を向上させ、かんすい施設を完備させ、耕地の保護を強化し、耕地の「非農業化」を断固として抑制し、「非穀物化」を防止することを打ち出した。

 湖北省(Hubei)潜江市(Qianjiang)の龔定栄(Gong Dingrong)市長は、「18億ムーの耕地の正しい思想路線を断固として守る。耕地占用補助制度を厳格に実行することで、耕地を確実に保護し、国家の食糧安全を確保していく」と述べた。

 情報筋によると、2021年には、中国は1億ムーの干ばつや洪水などに関係なく一定の収穫を確保でき、収穫は多く生産高を安定化できる高基準の農地を建設する目標がある。評価データによると、高基準農地プロジェクトエリアの耕地品質は1~2ランク向上できるし、食糧生産能力は平均10%から20%まで向上が可能で、「1シーズン500キロ、2シーズン1トンの生産能力」が実現できるという。

 現在、中国には農地を請け負う農家は2億700万人いる。龔代表は、新型農業経営主体を頼りに、大規模農家の経営力を向上させると同時に、農業サービス組織を頼りに、小規模農家の食糧生産において、耕作・栽培・防止・収穫における難題を解決し、農業生産の質向上を促すことを提案した。(c)People’s Daily/AFPBB News