【4月13日 People’s Daily】「50歳になって、初めてレッドカーペットを歩きましたよ!」

 3月9日、中国湖北省(Hubei)の看護師何巧英(He Qiaoying)さんは感動して声を上げた。新型コロナウイルスの治療に当たった医療従事者の1人として、中国で最も桜が有名な武漢大学(Wuhan University)に招待された何さん。専用ルートに敷かれた赤いじゅうたんの上を歩き、医療従事者に感謝の意を伝える署名ボードに迎えられ、さらに専属ガイドの説明を受けながら桜を観賞した。もてなしに感激した何さんは「昨年2月、武漢市(Wuhan)を助けるため全国から医療チームが駆けつけてくるたびに、感動して涙を流したことを思い出しました。彼らも満開の桜を見に来てほしいと心から願います」と語った。

 3月に開かれた中国人民政治協商会議では、政協委員で中国工程院院士の黄璐琦(Hua Luqi)氏も、昨年の春節(旧正月)に国家医療チーム第1陣を率いて武漢に駆けつけたことを「白衣の鎧(よろい)をまとって出陣する思いだった」と振り返る。新型コロナウイルス患者の専用病棟として短期間で完成させた火神山病院と雷神山病院、軽症者専用施設の方舟病院。感染拡大と死亡率を減らすため奮闘した日々を「生涯忘れられない経験」と語った。

 コロナ禍の影響を最も受けた武漢市は、既に生気を取り戻している。この1年、中国政府は武漢市の支援に力を入れ、全国の企業も続々と武漢への投資を増やした。武漢市は2020年第1四半期(1~3月)に域内総生産(GDP)が大幅に減少したにもかかわらず、同年の都市別GDPランキングで第9位となり、トップ10入りを果たした。

 2021年もその勢いは続き、第1四半期だけで215件の大型プロジェクトが開始され、総投資額は3305億4000万元(約5兆5497億円)に達している。武漢市は今年の年間GDP成長率を10%としており、経済発展への決意と自信を表している。

 湖北省は昨年、コロナ対策に携わった医療従事者のため、省内の主要観光地を生涯無料で訪れることができる「湖北感謝カード」を4万2000枚発行。既に約2500人が湖北省を訪れている。武漢大学も昨年3月、「湖北省を支援した医療従事者とその家族が桜を観賞できるよう、3年続けて特別招待する」と表明。予約も難しいほど人気の花見をゆったりできるよう配慮を見せ、3月13、14両日には医療スタッフ向けの「花見の宴」を開催した。

 武漢市はこの春、「春に出会い、桜をめでる—武漢はあなたを待っている」をスローガンに桜祭りや花見ツアーといったイベントを展開。湖北省も40か所以上の桜の名所や10か所の花見ルート、200回以上の文化公演を行い、コロナ禍を乗り越え日常を取り戻した姿をアピールしている。(c)People’s Daily/AFPBB News