【4月13日 AFP】イラン政府は12日、敵対関係にあるイスラエルが中部ナタンズ(Natanz)のウラン濃縮施設を攻撃したと非難し、「報復」と核開発強化を宣言した。

 イラン原子力庁によると、同施設の配電センターで11日、「小さな爆発」が発生。外務省はこれをイスラエルによる「テロ」行為と断定した。

 同省のサイード・ハティブザデ(Said Khatibzadeh)報道官は、イランは対応として「シオニスト政権(イスラエル)への報復」措置を取ると表明した。イラン原子力庁のアリアクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)長官も、「破壊工作だったことは間違いない」と明言。ファルス(Fars)通信に対し、「破損した遠心機は、さらに強力なもので置き換えられる」と述べた。

 オーストリアの首都ウィーンでは先週、2015年のイラン核合意の立て直しを目指した協議が始まっていた。だがイランは10日、核合意で禁じられているウラン濃縮用の改良型遠心分離機の稼働を、ナタンズの施設で開始したと発表した。

 イスラエルは核合意に強く反対し、イランによる核兵器開発を阻止すると宣言してきたが、11日にナタンズの施設で起きた問題への関与は認めていない。同国のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は12日、ロイド・オースティン(Lloyd Austin)米国防長官が訪問中のエルサレムで、イスラエルはイランの核兵器入手を阻止するとの立場を改めて強調したが、ナタンズでの問題には言及しなかった。

 米政府は12日、関与を否定。ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は記者会見で、「原因や影響に関する臆測に付け加えるものは何もない」と述べた。(c)AFP