【4月13日 AFP】(更新)米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)近郊で11日、若い黒人男性が警官の発砲を受け、死亡した。これを受けて抗議デモが警察署前で行われ、夜間外出禁止令が出される事態に発展した。同市では昨年、黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官に殺害される事件が発生し、裁判が続いている。

 AFP記者によると、ミネアポリスの北西に位置するブルックリンセンター(Brooklyn Center)の警察署前に数百人規模のデモ隊が集結。警察は、催涙ガスやスタングレネード(威嚇用手投げ弾)で鎮圧に当たった。

 12日午前0時(日本時間午後2時)までには州兵も出動。ブルックリンセンターのマイク・エリオット(Mike Elliott)市長は、午前1~6時の外出禁止令を出した。

 ブルックリンセンター警察の発表によると、警官らは交通違反を犯した男性に停車を命じた。その際男性に逮捕状が出ていたことが分かり、身柄を拘束しようとしたところ、男性が車内に戻ったため、警官の一人が発砲。被弾した男性は、現場で死亡した。同乗していた女性も負傷し、地元の病院に搬送されたものの、命に別条はないという。

 ブルックリンセンター警察のティム・ガノン(Tim Gannon)署長は12日の記者会見で、発砲した警官はテーザー銃と間違えて拳銃を使用したと説明。「これは誤射だった」と述べた。

 ミネアポリスでは昨年5月、黒人のフロイドさんが白人警官のデレク・ショービン(Derek Chauvin)被告に押さえつけられ死亡した事件が発生し、米国をはじめ、世界各地で人種差別や警察の残虐行為に対する抗議デモが広がった。ショービン被告の裁判は現在も続いている。

 エリオット市長は、11日の事件を「悲劇的」と形容。またミネソタ州のティム・ワルツ(Tim Walz)知事は、州全体で「警察に奪われたもう一人の黒人男性の命を追悼する」と述べた。(c)AFP