【4月12日 AFP】チリ水産庁は8日、有害な藻類が増殖する「有害藻類ブルーム」で、サケ4200トン以上が死んだと明らかにした。

 チリは世界のサケ養殖生産量の約26%を占め、ノルウェーに次ぎ2位となっている。

 有害藻類ブルームが起きると、有害な藻類が大量に酸素を消費するため、水中の酸素が欠乏して魚が大量死することがある。チリでは2016年にも発生し、数千トンのサケが死んだ。

 今回の有害藻類ブルームでは、南部の養殖場18か所前後が影響を受け、3種類の有害藻類が確認された。これまでにサケの死骸の70%が除去された。

 有害藻類ブルームの原因について、国際環境NGOグリーンピース(Greenpeace)はサケ養殖による汚染、養殖業界は気候変動だと主張している。

 グリーンピースの広報を務めるマウリシオ・セバージョス(Mauricio Ceballos)氏は、「サケ養殖で生じた汚染の影響が、今回のような危機につながることは否定できない」と述べた。

「狭い湾や循環がほとんどない環境で、サケ養殖から生じたアンモニウムと尿素が有害藻類ブルームを深刻化させる可能性があることを示す証拠がある」

 映像はチリ南部ロスラゴス(Los Lagos)州のサケ養殖場で9日撮影。(c)AFP