【4月12日 AFP】11日に行われた男子ゴルフ米国ツアーメジャー第1戦、第85回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)で歴史的な優勝を飾った松山英樹(Hideki Matsuyama)が、大会後のインタビューに臨み、グリーンジャケットを母国へ持ち帰ったときのファンの反応を楽しみにしていると話した。

 松山は最終日のバックナインで苦しみながらも1打差で勝利を収め、日本男子初のメジャー制覇を成し遂げた。松山はそのことを喜び、「どうなるか想像もつかないが、グリーンジャケットを日本に持って帰れることがすごくうれしい。行ってみて、どういう反応か楽しみたい」と話した。

 マスターズを3回制しているニック・ファルド(Nick Faldo、イングランド)は、東京五輪の聖火台への点火役に松山を選ぶべきだと話している。しかし松山は「試合のスケジュールも考えて、タイミングが合えばやるかもしれないが、現実的ではない」と答えた。

 それでも、7月29日から始まる東京五輪の男子ゴルフで、松山が日本代表に選ばれるのはほぼ確実となっている。五輪に向けて松山は「開催されるのであれば当然狙いたい」と話している。

 この日のラウンドは1オーバーの「73」ではあったが、日本のファンを喜ばせるプレーを見せた。母国のファンの期待と、マスターズ制覇という自身の夢がもたらす重圧と緊張はラウンド開始前はなかったが、1番のティーグラウンドに立った瞬間に感じたという。

「練習やウオーミングアップはすごく良い状態だったが、1番ホールのティーグラウンドに立ったときに、最終組でトップにいることを考えたら、すごくナーバスになってきた。それでも、最後は良いプレーをしようと考えて頑張った」

 第1打を右の林に入れ、最初のホールをボギーとした松山だが、2番のバーディーで取り戻すと、その後は堅実なゴルフを続けた。終盤はザンダー・シャウフェレ(Xander Schauffele、米国)の猛追に遭い、緊張感がさらに高まる中、上がり4ホールで3ボギーをたたいたが、十分なリードを築いていたこともあって1打差で逃げ切った。

 メジャー制覇の実感が湧いてくるまでには、しばらく時間がかかったという。松山は「(最初は)何も考えていなかった。ザンダーとハグをして、(キャディーの早藤)将太(Shota Hayafuji)と抱き合って、そこでやっと優勝することができたという気持ちになった」と振り返った。

 その喜びの中には、この優勝に刺激を受けた日本の子どもたちと、将来メジャーの舞台で競い合えるようになるかもしれないという思いもある。

 松山は「僕がここで勝ったことで、テレビを見ている子どもたちが5年後、10年後、ここの舞台に立って、その子たちとトップで争えたらすごく幸せ。そのためには、まだまだ僕もこれから先勝っていかないといけないので頑張りたい」と話している。(c)AFP/Jim SLATER