【4月12日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーメジャー第1戦、第85回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)で歴史的な日本選手初優勝を飾った松山英樹(Hideki Matsuyama)に対して、ゴルフ界のスター、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)らが祝福の言葉を贈っている。

 ウィル・ザラトリス(Will Zalatoris、米国)を1打差に抑えてグリーンジャケットをまとい、日いづる国の新時代の扉を開けた松山について、ウッズは世界に影響を与える快挙だと話している。

 ウッズはツイッター(Twitter)に「日本が君を誇りに思っている、ヒデキ」と書き込み、「これだけの大きなことを達成した君と、君の国におめでとうを言いたい。今回の歴史的なマスターズ制覇は、ゴルフ界全体にインパクトを与えるだろう」と続けた。

 松山自身も、ウッズの1997年のマスターズ制覇が「タイガーマニア」によるゴルフブームを巻き起こしたのと同じように、今回の優勝に刺激を受けた日本人ゴルファーが自身の後に続く、あるいは少年少女がゴルフを始めることを願っている。

 松山は通訳を介して、「今からゴルフを始めるとか、いま10代、高校生とかの子たちの方が影響があるのかなと思う」と語った。

「僕が初めてのメジャーチャンピオンになったことで、今までは日本人だったらできないんじゃないかというのがあったかもしれないけれど、そこを覆すことができたと思うので、そういう子たちにプラスの影響を与えられるようにまた頑張っていきたい」

 2013年にオーストラリア勢唯一のマスターズ覇者となったアダム・スコット(Adam Scott)は、新チャンピオン誕生で、日本に「マツマニア」が生まれることを期待している。

 スコットは「世界の人にとってのタイガー・ウッズと、日本の人にとっての松山は少し似ている」と話し、「プレーの出来にかかわらず、毎週大勢の人が彼のことを追いかけている」と続けた。

「これで日本のスーパースターになったんじゃないかな。今までそうじゃなかったとすればの話だけど。本人はあまり感じていないかもしれないが、外から見ている僕らには、彼に対する期待の大きさがよく分かる。これが日本と、日本のゴルフにとってどれだけ意味のあることかをね」

 マスターズを3回制しているニック・ファルド(Nick Faldo、イングランド)も、松山を追いかける報道陣の数を指摘し、「日本ではゴルフがとても人気で、全国ニュースでも流れる。彼が背負っていたものの重さは、普段の大会の10倍以上はあっただろう」とコメントした。

 2010年の全英オープン(The 139th Open Championship)を制しているルイ・ウーストハイゼン(Louis Oosthuizen、南アフリカ)は、ゴルフ好きの日本人と、歴史を塗り替えたチャンピオンにとって、今回の優勝は良いことしかないと考えている。

 ウーストハイゼンは「こちら(世界選抜)側の誰かがメジャーを勝つべき時だったんだと思うし、ヒデキと彼の国にとって素晴らしい結果だ」とし、「日本人は素晴らしい人たちで、日本のゴルフを愛している。彼の国にとって最高の出来事だと思うよ」と話した。

 同じく南アフリカ出身で、全米オープン選手権(US Open Championship)と全英オープンをそれぞれ2回制しているアーニー・エルス(Ernie Els)は、米放送局ゴルフ・チャンネル(Golf Channel)に「国全体にとってうれしいご褒美だ。本当に信じられない。見事だよ。日本でゴルフはものすごい人気スポーツなんだ」と話している。

 アブラハム・アンセル(Abraham Ancer、メキシコ)も、日本での松山の扱いをウッズと比較し、「ZOZOチャンピオンシップ(Zozo Championship)で日本へ行ったら、みんながタイガーと彼を観戦していた。メジャーのようだったよ」と振り返ると、「だから今回の優勝は日本にとって大きなことだ」とコメントした。

「向こうでゴルフがどれだけ大きく扱われているかは分からないが、素晴らしいことだ。日本の人たちにとって、彼がマスターズで勝つことは全てだと言ってもいいはずだ」 (c)AFP/Jim SLATER