【4月12日 AFP】(更新)イラン原子力庁は11日、中部ナタンズ(Natanz)の核施設がテロ攻撃を受けたと明らかにした。同庁は当初、この施設で「事故」が起き停電が発生したと発表していた。

 国営テレビが伝えた声明で、原子力庁のアリアクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)長官はこれを「無益な」行為と非難。国際社会に「この対核テロ(行為)に立ち向かう」よう求めた。

 原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ(Behrouz Kamalvandi)報道官は当初、ナタンズ施設の「濃縮施設の電気回路の一部で事故」が発生したと発表していた。

 イランは10日、ナタンズでウラン濃縮用の改良型遠心分離機の稼働を開始したと発表。2015年に世界の主要国と結んだ核合意を逸脱する行為となった。

 サレヒ長官は、攻撃を仕掛けたのは「繁栄する原子力産業の発展の妨げを企図する、イランの産業的・政治的進歩に反対する勢力」と主張。ただ妨害工作を指示した可能性のある国名や組織名を特定するまでには至らなかった。ファルス(Fars)通信はカマルバンディ報道官の話として、この件による負傷者はなく放射性物質の放出もなかったと報じた。(c)AFP