【4月12日 Xinhua News】中国の浙江省(Zhejiang)文物考古研究所は10日、通信アプリの微信(ウィーチャット、WeChat)の公式アカウントを通じて、同省余姚市(Yuyao)の施嶴(しおう)遺跡で寧波地区最古の丸木舟が発見されたと発表した。丸木舟の残存部分は長さ5・6メートル、幅40~80センチで、現在は必要な保護・修復作業が進められているという。

 同遺跡は、余姚市三七市鎮(Sanqishi)相嶴(しょうおう)村西側の山あいにある。2020年後半に実施された発掘調査で、先史時代の河姆渡(かぼと)文化初期(紀元前4300年以前)と後期(紀元前3700~同3300年)、良渚文化期(紀元前2900~同2500年)の大規模稲田跡が発見された。河姆渡後期と良渚期の稲田跡には畔(あぜ)が見つかり、特に良渚期では「井」字形に交錯する畔も確認された。

 丸木舟は今年1月中旬、畔の延伸状況を調べるために畔の一部を掘り下げたところ見つかった。約1メートルの凹型に湾曲した木の板が出土し、形状から丸木舟の残骸と判断した。出土地層は紀元前2900~同2700年とされることから、丸木舟も良渚文化期に属することが分かった。

 丸木舟は船体部のみで船首と船尾は欠落していた。出土位置北側の舷(げん)は比較的保存状態が良く、南側は激しく損傷していた。内側は平らに近く、断面は湾曲し、厚さは約3センチだった。同市を含む寧波地区でこれまで発見された最も古い丸木舟だという。(c)Xinhua News/AFPBB News