【4月11日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーメジャー第1戦、第85回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)で、3日目を終えて2位と4打差の首位に立った松山英樹(Hideki Matsuyama)。共にスイング改善に取り組む新コーチを迎え、メディアからのストレスも減った中で、歴史的なマスターズ初優勝へあと一歩に迫っている。

 この日の松山は、今大会初めてノーボギーでラウンドしてスコアを7ストローク伸ばし、マスターズの過去37ラウンドで自己最少の「65」をマークした。

 日本人ゴルファーは過去に女子選手が2人メジャーを制覇し、2019年に渋野日向子(Hinako Shibuno)が全英女子オープン(AIG Women's British Open 2019)、1977年に樋口久子(Hisako Higuchi)氏が全米女子プロゴルフ選手権(Women's PGA Championship)で優勝しているが、男子では1980年の全米オープン選手権(US Open Championship)で青木功(Isao Aoki)氏、2017年の同大会で松山が記録した準優勝が最高となっている。

 しかし、日本男子初のメジャー制覇が日本のファンにとって持つ意味を問われた松山は、「まだどうか分からないので、あした自分のベストを尽くしたい」とコメントした。

 また、これまで大勢の日本メディアの重圧を感じることも多かった松山だが、現在は新型コロナウイルス対策で記者の数が制限されていることもあり、ストレスは和らいでいるという。松山は「マスターズには日本のメディアもたくさん来てくれるが、大勢に囲まれるのは今も苦手。去年からコロナになって人数も少なくなっているので、自分的にはすごく楽になっている」と話している。

 メジャーで7回トップ10に入り、2017年には全米オープンで準優勝して世界ランキングも2位まで浮上した松山だが、同年のブリヂストン・インビテーショナル(Bridgestone Invitational 2017)を最後に米ツアーの勝利からは遠ざかっている。

 しかし、このところは新たに迎えた目沢秀憲(Hidenori Mezawa)コーチのおかげもあって、正確なショットが戻ってきているという。

「いろんな問題はあったと思う。フィーリングだけでやっていた部分もあった。今は(コーチをつけて)客観的な目を持ってもらいながら、正しい方向に進んでいると思っている。今年は良い成績が出ていないが、今週は良いプレーができているので、あしたもできると思って準備したい」

 メジャー15勝のタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が華麗にマスターズを制覇するのを見て以来、夢見ていたグリーンジャケットの獲得まであと一歩に迫っている松山は「最初に見たのはタイガー・ウッズが優勝したところで(中略)思い出はある。そういう場所で良い位置にいられるのはうれしいので、あした良いプレーができるように準備したい」と話している。(c)AFP/Jim SLATER