【4月10日 AFP】イランは10日、新型の遠心分離機を連結したカスケードの稼働を開始したと発表した。2015年の核合意で定められた義務を逸脱する行為となる。

 イランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は、国営テレビで放送された式典で、中部ナタンズ(Natanz)の核施設で、遠心分離機IR-6型164機とIR-5型30機を連結したカスケードの稼働を開始したと正式に発表した。

 カスケードの映像は流されなかったが、核施設のエンジニアが、ロウハニ大統領の命令を受けて、六フッ化ウランガスの注入を開始したと語る場面が中継された。

 これに先立ち、オーストリアの首都ウィーンで6日、イラン核合意維持をめぐる会合が開かれた。ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が再開した対イラン制裁の解除だけでなく、複数の逸脱行為をしたイランを合意に復帰させ、核開発制限を履行させることも焦点となった。

 ロウハニ大統領は、イランの「原子力技術記念日」に合わせて行われた今回の式典で、同国の核開発はあくまでも「平和目的」に限ったものだと強調した。(c)AFP