【4月10日 AFP】中国当局は、電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)に、独占禁止法違反で約182億元(約3040億円)の罰金を科した。国営メディアが10日、報じた。

 国家市場監督管理総局は昨年12月、アリババに対する調査を開始。国営新華社(Xinhua)通信によれば、調査結果を踏まえて罰金の金額が決められた。

 今回の調査と罰金の対象となったのは、アリババが取引先に対し、アリババのサイトでのみ販売し、競合サイトには出店しないよう圧力をかけていたとされる行為。新華社通信によれば、罰金は、2019年の売上高4557億元(約7兆6200億円)の4%に当たる額とされた。

 中国では、テクノロジーに精通したユーザーたちが、通信連絡やショッピング、各種料金の支払い、タクシーの予約、そしてローンの借り入れなど生活のあらゆる面でネット上のプラットフォームを活用している。中国当局は、アリババなど中国の大手IT企業が影響力を強めることを懸念し、統制を強めている。

 アリババ傘下の金融サービス会社アントグループ(Ant Group)は、個人や小規模事業主向け融資や信用供与、投資、保険などの分野に事業を拡大し、当局は懸念を示していた。これについてアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏は昨年10月、中国の規制当局は時代遅れだと批判。それ以来、IT企業の中でも特にアリババは当局から厳しい目を向けられてきた。

 中国当局は、手に負えない個人負債や無秩序な貸し付けを統制しようとしている。またアントグループの影響力増大──そして馬氏としては珍しい公然たる当局批判──は、国家が支配する中国の金融界を脅かすものだと受け止められている。(c)AFP