「限定」には魔力がある。数量限定や限定仕様の特別モデルを手に入れられる幸運者は全世界でもまさに限られている。チャンスはそう多くない。欲しいと思った時がまさに買い時。レギュラー品とは違う限定モデルを楽しむなら、今だ!

JAEGER-LECOULTRE(ジャガー・ルクルト)/レベルソ・トリビュート・デュオ・ファリアーノ
独特の反転式ケースがポロ競技に由来する「レベルソ」は、1931年に誕生。2021年の90周年を記念してピングゴールドのケースにバーガンディレッドのダイアルを組み合わせ、ポロと乗馬用ブーツで世界的に有名なアルゼンチンのメーカー、カーサ・ファリアーノの手作りストラップを装着した「デュオ」が登場。情熱的なカラーがヴィンテージの意匠を引き立て、新たな魅力を生む。手巻き。ケース縦47㎜×横28.3㎜、3気圧防水。世界限定190本、ブティック限定。税込 275万円。

アニバーサリー、コラボ、特別ダイアル。個性豊かなモデルが勢揃い。

あとで買おうと思ったらすでに時遅し、買い逃してしまって今や入手困難━━クルマでもそんな悔しい思いをしたことはないだろうか。限定ともなればなおさらだ。

時計の世界には、そうした限定モデルが数多くある。まず、時計メーカーやモデルの重要な年を記念する「アニバーサリー限定モデル」だ。歴史に由来する復刻や特別仕様にはブランドの威信が表明され、背景となる興味深いストーリーをもったモデルも少なくない。時計が誕生した時代も含め、温故知新という意味でも貴重である。

反転ケース裏面には第二時間帯と24時間の昼夜表示のダイアル。デュアルタイム機能以外に、時計の表情を変えて時刻確認を楽しむこともできる。

90周年に合わせ、書籍『レベルソ』も出版された。豊富な写真とともに、 誕生からの歴史や、社会環境や文化の変化などが詳しく紹介されている。

現代的な感覚で時計のデザインを革新する限定品といえば、他分野とのコラボレーションやパートナーシップによってクリエートされる通称「コラボモデル」だ。多少デザインに手を加えたようなかつてのコラボが通用しない今、クルマやヨット、ファッションといった専門分野と共同で新しい時計を開発する創作スタイルがますます盛んになってきた。

そうした手法で実現する限定の「コラボモデル」は、愛好者の所有欲を刺激し、また一方で新しい時計ファンを獲得することにもつながった。

さらには、すでに定番として人気の確立したモデルをベースにしながら、レギュラー品にないダイアルによって時計の印象を変えた限定モデルというのもある。

限定モデルは世界で数本から10本、100本単位がほとんどで、しかも今しか買えない希少品。日本で手に入る確率となると、推して知るべし。欲しいと思った時が買い時なのは言うまでもないだろう。

文=菅原 茂

(ENGINE 2021年4月号)
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