【4月9日 AFP】男子ゴルフ米国ツアーメジャー第1戦、第85回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2021)は8日、米ジョージア州オーガスタのオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club、パー72)で開幕し、ロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)は父親にボールを直撃させるアクシデントに見舞われるなどし、同大会初日では自己ワーストとなる4オーバー「76」の60位タイと出遅れた。

 メジャー通算4勝を誇る31歳のマキロイは、マスターズで優勝すれば生涯グランドスラム達成となるが、現在はスイングを改良中で安定感を見いだせないでいる。この日その問題を象徴していたのは、連続ボギーをたたいて臨んだパー4の7番だった。

 マキロイはティーショットを左の林に打ち込んだ後、木の後ろから打ったアプローチが思い通りに曲がらず右にスライスし、グリーンに向かって歩いていた父親のふくらはぎを直撃してしまった。

 父親が「サイン入りグローブをもらわなくては」とジョークを飛ばしていたのに対し、マキロイは「父は僕がたくさんの物にサインしているのを何年も見てきたから、そんなの大したことにならないだろう」とコメントすると、脚の痛みを和らげるには冷やす必要があるとした上で、サインするなら「アイシングの袋にした方がいいかもしれない」と返していた。

 打球をグリーン方向に曲げるために、すでに視界に入っていたコース右側を歩く父親を目印にして失敗し、3連続ボギーを喫してしまったマキロイは「あのとき目印にしていたのは、父親だと分かっていた」と明かすと、とにかく打球を曲げようとして見事にショットが命中してしまったと振り返りながら、「だけど父は大丈夫だと思った。足を引きずっていなかったし、素早く歩き去っていったから安心していた」と語った。

 その一方で、これまでマスターズ初日の自己ワーストスコアは昨年の「75」だったマキロイの問題は簡単には過ぎ去っていない。中国・上海で行われた2019年のHSBCチャンピオンズ(WGC-HSBC Champions 2019)以降はツアー優勝から遠ざかっており、メジャー制覇も2014年の第96回全米プロゴルフ選手権(2014 PGA Championship)が最後となっている。

 この日は2バーディー、6ボギーでラウンドを終えたマキロイは、「まだ100パーセントの感覚はないけれど、いくつか前向きな要素も見られた」と語った。(c)AFP/Jim SLATER