【4月8日 AFP】ロシアの野党勢力指導者で、矯正労働収容所で刑に服しているアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)の弁護団は7日、ハンガーストライキを続ける同氏の健康状態が悪化していると明らかにした。米国のジョー・バイデン(Joe Biden)政権は懸念を示している。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を厳しく批判してきたナワリヌイ氏は、横領罪で有罪となり、懲役2年半の刑に服している。ナワリヌイ氏は先月31日、背中の強い痛みと両足のしびれについて適切な治療を求め、ハンガーストライキを開始した。

 弁護団のメンバーは7日、モスクワの東100キロに位置するポクロフ(Pokrov)の矯正労働収容所でナワリヌイ氏に面会。ナワリヌイ氏は両手の感覚を失いつつあり、せきも出ているという。

 オルガ・ミハイロワ(Olga Mikhailova)弁護士はAFPに対し「容体は悪そうで、体調も良くなかった」と話した。現在の体重は約80キロだという。ナワリヌイ氏は身長189センチで、収容前の体重は93キロだった。

 ミハイロワ氏は「誰も治療しようとしない」と訴えた。

 弁護団と支持者らは、ナワリヌイ氏を「一般の」病院へ移送することを求めている。一方、ロシア大統領府のドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、ナワリヌイ氏には特別扱いを受ける権利はないと指摘した。

 反政権派の一人、バディム・コブゼフ(Vadim Kobzev)氏は、ナワリヌイ氏は1日に1キロ体重が減っていると話した。(c)AFP