【4月8日 Xinhua News】中国各地で墓を持たない「自然葬」を推奨する動きが広がっている。土葬の習慣が根強く残る中、各地方政府が補助金を出す奨励策を相次いで打ち出し、樹木葬や海に散骨する海洋葬などを選ぶケースが徐々に増えている。

 先祖の墓参りをする「清明節」に当たる4日を挟んだ3連休、中国東北部の吉林省(Jilin)遼源市(Liaoyuan)郊外に広がる樹木葬記念公園では、マツやヒノキなどの木の下に生花をささげ、ひざまずいて拝む人々の姿が見られた。園内には従来の墓地のような墓石はない。故人が眠る場所は、木の幹に打ち付けられた番号が目印となる。

 同園によると、2016年からこれまでに約850人分の遺骨が納められた。土地代のほかに生分解する骨つぼや納骨作業も全て無料で提供されるという政策の後押しに加え、人々の意識の変化もあり、樹木葬が徐々に受け入れられるようになったという。

 吉林省の各級民生部門はここ数年、樹木葬や海洋葬、花壇葬などの自然葬やロッカー式の納骨室を利用する安置方法を広く推し進めている。こうした「エコ葬」を推奨する動きは中国各地に広がっており、遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)では海洋葬に必要な車や船のレンタル料が無料になるほか、山東省(Shandong)では自然葬を選んだ遺族に千元(1元=約16円)から6千元の補助金を支給している。(c)Xinhua News/AFPBB News