【4月8日 AFP】フィリピン警察は7日、新型コロナウイルスの外出制限に違反した男性(28)が、罰則としてスクワットのような運動を100回繰り返すよう強制された後に死亡したとして、捜査を開始したと発表した。

 新型ウイルスの感染急拡大に歯止めをかけるため、マニラ首都圏と隣接する4州には先週、午後6時から翌午前5時までの外出禁止令が出された。警察はこれに違反したとして、これまでに1万人以上に罰則を科してきた。

 死亡した男性の妻がAFPに話したところによると、男性は1日夜、マニラ南方の都市ゼネラルトリアス(General Trias)で水を買いに外出したところ、拘束された。

 男性は心臓に持病があり、2日に帰宅した時は歩くのもやっとで、激しい痛みを訴えていたという。3日に「けいれん」を起こし、数時間後に死亡した。

 国家警察庁は、男性は他の違反者らと共に警察署へ連行され、過酷な運動を強制されたという証言が2人からあると明かした。

 この運動は「慣れていなければ失神する。警察官でも苦しい」もので、捜査結果が出るまで市警察のトップと警察官2人が停職になっているという。

 人権団体は以前から、新型ウイルス対策の違反者に対する警察の行き過ぎた懲罰に懸念を示している。(c)AFP