【4月7日 AFP】ブラジル南東部ミナスジェライス(Minas Gerais)州の都市、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)の売春婦らは5日、自分たちを新型コロナウイルスワクチンの優先接種対象に含めるよう求めて、1週間のストライキを決行した。

 ベロオリゾンテのセックスワーカー数千人は、ホテルの部屋を借りてサービスを提供していたが、コロナ禍でホテルが閉鎖され、路上で客を取らなければいけなくなったと訴えている。

 ミナスジェライス売春婦組合(Association of Prostitutes of Minas Gerais)のシダ・ビエイラ(Cida Vieira)組合長は「私たちは最前線にいて、経済を動かし、リスクを負っている」とAFPに語った。「ワクチン接種を受ける必要がある」

 ビエイラ氏らは、これまで利用していた閉鎖されたホテルが立ち並ぶ通りで抗議活動を行い、「セックスワーカーは専門職」や「セックスワークと健康」などと書かれたプラカードを持ち訴えた。

 抗議活動に参加したセックスワーカー、ルシマラ・コスタ(Lucimara Costa)さんは「私たちはさまざまな人と関わり、命の危険があることから、優先接種の対象だ」と述べた。

 政府は、医療従事者、教師、高齢者、先住民族、基礎疾患のある人をワクチン優先接種の第1弾対象者としている。

 政府は今年前半までに約7700万人の優先対象の接種を完了する予定だが、ワクチン不足のため9月までずれ込む可能性もあると専門家は指摘している。

 ビエイラ氏は、自分たちは男性に性感染症に関する情報を提供し、避妊具を配布するなど健康指導をしている教育者だと主張した。

 ブラジルは感染第2波に見舞われており、ミナスジェライス州も例外ではない。ただ、人口10万人当たりの死者数は121人と国内で最も少ない水準にある。

 ブラジルの新型コロナウイルスによる死者は33万2000人以上と、米国に次いで世界で2番目に多い。(c)AFP/Douglas MAGNO (STR)